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トーキングヘッズ叢書(TH Series) No.36
「胸ぺったん文化論序説」
===================

A5判208頁・定価1500円(税込)ISBN 978-4-88375-095-5
発行=アトリエサード/発売=書苑新社(しょえんしんしゃ)
大好評発売中!

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貧乳はステータスか?
いや、そこにこそ未来がある!

「胸ぺったん」への嗜好は、弱さ(フラジリティ)を受け入れ
ネオテニー(幼形成熟)として生きるための戦略だ。

力でねじ伏せる時代から、
弱さとともに生きる時代への指標を
「胸ぺったん」文化に探る!!

[前書きを読んでみる]


(左)埜亞(右)こやまけんいち

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■主な内容
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ヴィジュアル&レビュー【貧乳美少女逍遙】●相馬俊樹
   クラナッハ/未成熟の官能美
   フォンテーヌブロー派/ディアナの冷たいエロス
   デビッド・ハミルトン/青い官能の灼熱
   イリナ・イオネスコ/少女の恐怖と蠱惑
   富崎NORI/人形少女遊戯
   町野好昭/幻想少女の秘密
ヴィジュアル&レビュー
   山本タカト/身体を侵蝕する頽廃のエロス●S
   たま/恐れ知らずの少女たち●S
   長谷川友美/小さき者が奏でる小さな物語●S
   森馨/光のメランコリア●相馬俊樹
   青山静男/日本少女の原風景●寺澤梟木
こやまけんいち・ロングインタビュー《図版多数》
   ――傷つきやすい少女達の憂鬱●西川祥子
対談・埜亞×森馨――女性人形作家 少女論放談《図版多数》
   《少女愛研究家を称し、一貫して幼い女の子の人形を創り続ける埜亞と
    少女のエロスを追究し続ける森馨。
    筋金入りのふたりの人形作家が語るこだわりの少女観!》
―――――――――――――――――――
かわいいという俗情●高原英理
ある時間軸の胸像●御手洗花女(母檸檬)
映画『エコール』をめぐって
   ――少女の表現不可能性のために●樋口ヒロユキ
少女の身体をした悪魔的娼婦
   ――ユイスマンスの世界から現代の少女たちへ●大野英士
微乳礼讃●志賀信夫
萌えの彼方に――よいこのカワイイSEX論序説●浦野玲子
小さき者たちへの賛歌――アニメ等にみる胸ぺた萌えの心理学●沙月樹京
   AIR/らき☆すた/灼眼のシャナ/ゼロの使い魔/しゅごキャラ!などを題材に
   ・「AIR」を見て流す涙はどこから来るのか
   ・ツンデレキャラ人気の理由または「俺の嫁」と呼ぶ心理
   ・魔法少女はなぜ大人に変身しなくなったか
―――――――
私が知っている 盛り上がりがはっきりしない映画女優の いくつかの胸の内
   ――ヘディ・ラマーのムナモトには携帯電話の歴史が眠る●加納星也
モスクワは萌えているか――バルバロッサからX-Bladesまで●徳岡正肇
幼女の楽園●斎藤栗子
再び心につるぺた幼女を●あや野
少女愛好家・小夜子さんに聞く おすすめマンガとかキャラとか●沖沢あきら
膨らんできちゃった●西川祥子
   ――胸と向き合った瞬間、女性たちが感じたこと。(40人アンケート)
胸ペッタンの母親、赤塚不二夫の女性キャラ●本橋牛乳
胸ぺた少女は少年につながる――「転校生」●文山未絵
MからK、オウム経由――幼女と聖地・秋葉原●本橋牛乳
―――――――
Review
   ラモン・ゴメス・デ・ラ・セルナ「乳房抄」●志賀信夫
   夢野久作「瓶詰の地獄」●朝宮運河
   生島治郎「頭の中の昏い唄」●朝宮運河
   川端康成「伊豆の踊り子」●林アサコ
   谷崎潤一郎「少年」「春琴抄」●林アサコ
   ガルシア=マルケス「わが悲しき娼婦たちの思い出」●沙月樹京
   白倉由美「ロリータの温度」●寺澤梟木
   ばらスィー「苺ましまろ」●寺澤梟木
   三浦靖冬「とわにみるゆめ。」●沙月樹京 ほか
―――――――――――――――――――
《特別取材・ダダカン=糸井貫二展》
全裸仙人ダダカン――ダダカン「鬼放展」を見る●志賀信夫
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SPECIAL RECOMMENDATION
   「石田徹也 〜僕たちの自画像〜」……東京初の大規模な回顧展
   山海塾「時のなかの時−とき」……宇宙論的な永遠の中に花開く久遠
     ●樋口ヒロユキ
   曖昧で軽やかな「気分」をまとう真梨乃の人形●樋口ヒロユキ
   「人形と写真4人展〜幻妖の棲む森〜」
     ……妖しきものたちが棲む、深い森の奥へ……
   「AIR」……弱き者の存在価値
   Rieko&横山浪漫二人展「廃園の妖精」……クラシカルな雰囲気の幻想的世界
   林良文展/Jhon Bon展/亡月王展……異形の身体のオンパレード
呪術対美術《3》「Baby-Qの機械的エロティシズム」●樋口ヒロユキ
ダンスがみたい!10 レポート●竹重伸一/坂口勝彦
   Camille Mutel インタビュー●大須賀勇
      通訳:西田留美可/構成・文:竹重伸一
TH Recommendation/「ダークナイト」、「天安門、恋人たち」、初期型 ほか
表紙●こやまけんいち
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| TH No.36「胸ぺったん文化論序説」 | 23:34 | - | - |
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トーキングヘッズ叢書(TH Series) No.36
「胸ぺったん文化論序説」より前書きを転載。


*PREFACE*

今回は「胸ぺた」、つまり「貧乳」の特集である。
とはいっても、胸の大きさをどうこう言うことを目的とはしない。

昨今、某アニメにおいて「貧乳はステータスだ!希少価値だ!」と叫ばれたことによって
一部では「胸ぺた」嗜好/志向が高まっている、というか、
臆することなく表明されるようになってきているような気がするが、
しかしそこには、ロリコンだとか、ペドファイルだとか言って
一蹴してしまえない何かを感じる。

日本は、アニメのみならずキティなどのキャラクター等によって
「かわいい」の価値観が堂々と闊歩している特異な国である。
「胸ぺた」嗜好/志向は、その延長線上にあるものだと言っていいだろうが、
しかしそうした傾向が昨今になって突如として出現してきたものかというと、
実はそんなことはない。

二〇〇八年は「源氏物語」千年紀だそうだが、
その千年前から「かわいい」の文化はすでに根付いていた。
つまり光源氏は幼い若紫を愛で、
清少納言は「枕草子」で小さいものやかわいいものに対する愛着を
積極的に表明していたわけで、
そうした文化が脈々と受け継がれてくるなかで
現代の「かわいい」の嗜好は生まれてきたのだと言えるのだ。

もちろんそのような趣向は日本独自のものではないが、
日本ほど積極的に受容し、発達させてきた国はなかろう。

今回の特集タイトル「胸ぺったん」は、身体的な特徴というよりも、
そうした「かわいい」の趣向を代表する表象であると考えていただいた方がよいだろう。
そしてその趣向には、ふたつのキーワードが隠されていると考えるのである。

そのひとつが、フラジリティ。
一言で言えば「弱さ」「もろさ」だが、それを肯定的に受け入れ愛そうとする感覚、
それが「胸ぺた」嗜好の根底にはある。

松岡正剛は言う。
「(その言葉には)たんに脆いとか壊れやすいというだけではすまない
 ただならぬ何者かかがひそんでいる。
 脆くて壊れやすいにもかかわらず、その本質的な脆弱性ゆえに、
 たとえ外部から破損や毀損をうけることがあっても、
 なかなか壊滅しきらない内的充実がある」(「フラジャイル」筑摩文庫)。

その「壊滅しきらない」生命力を考えたときに、
もうひとつのキーワードが浮かび上がってくる。
ネオテニー(幼形成熟)だ。

幼生の部分を残したまま性的には成熟した状態を指す生物学の用語だが、
ここでは、未熟さ、子どもっぽさを抱えたままの大人や社会を指す言葉として
拡大解釈していただいてかまわない。

未熟さ=「胸ぺた」というのは、身体的特徴の面からも関連性は明らかである。
しかしそれを否定的なものとして捉えるのではなく、
「壊滅しきらない」生命力を得る戦略的武器であると考えるのはどうだろう。
弱さ=フラジリティを肯定的に受容し、
そのもとで生き延びるための手段としてのネオテニー。

対テロの戦いで明白なように、力で相手をねじ伏せる時代はもう終わりだ。
これからは、強さではなく弱さに重心を置こう。
「胸ぺた」の文化とは、そのようなものなのであり、
日本人はその心をよく知っているはずなのである。


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| TH No.36「胸ぺったん文化論序説」 | 23:33 | - | - |